初めてのひとり旅 北陸編
あじです。
昨年ひとり旅を始め、回を重ねるごとに薄れる記憶に焦りを感じ、ブログを書こうと思い立ちました。
2021年7月。
仕事のストレスと、帰宅しようが否が応でも仕事のことを思い出す社員寮という環境、繁忙期を乗り越えた後の空虚感、日帰りで温泉に行っては寮に戻されるフラストレーション。これらを紛らわすべく、旅漫画をいくつか読んでしまおうものなら我慢できるはずもなく鬱憤が爆発。
「はやりものヤバいけど、ひとりで行けば大丈夫やろ」
と、酒の勢いで宿をとってしまいました。
首都圏から気軽に行けて、尚且つ遠方っぽい(雑)ところとして、北陸をピックアップ。
ホタルイカのシーズンは終わったし、北陸に初夏の魚のイメージもない(太平洋側の
イメージ)。なんか温泉がいっぱいあるらしいし、米どころで雪解け水もあるから酒も美味いだろうということで新潟へ。糸魚川にジオスポットあるし、行ってみるかということで決定した気がします。
金曜日の健康診断の後休暇を取り、新幹線に飛び乗り向かったのは糸魚川・・・
ではなく長野でした。糸魚川で狙っている宿は新幹線駅から遠く、ばたばたしそうだと思ったからですね。ちょっと市内を観光しつつ、明日に備えましょう。
長野駅を出てみると、善行寺が徒歩圏内という表示があるではありませんか。チェックインまで1時間半くらいあるので行ってみましょう。
と思ったら、仲見世通りも含めて営業時間が終了していました(16時半くらい)。残念。
門の下には絵馬がかけられており、風に揺れてとても心地よい音が響いていました。
今度はもっと早い時間に訪れたいですね。
濃いなぁ…(語彙力)
そういえば長野って冬季オリンピックあったんですよねぇ…
などと町のあらゆるものにゆるくツッコみ、居酒屋を素面で後にして今日のお宿へ。
ビジネスホテルは大体どこへ行っても、レイアウトも置いてあるものも似ているので安心感がありますねぇ。
~翌日~
雨の予報もなんのその。私は晴れ男かもしれません。
優雅にローカル線で糸魚川へ向かおうとしたら、フォッサマグナパークへ行く時間が無くなりそうなので(無計画)またもや新幹線に乗ることに。
トンネルを超えれば米どころの様相を如何なく見せつけてきます。湖と山と田んぼと平〇堂で形容される我が故郷を髣髴させる光景です。落ち着く。
40分ほど新幹線に乗り、糸魚川駅に到着。とても静かで旅情を誘う駅前通りでしたが、はやりものが収まればにぎやかになるんでしょうかねぇ。
北は山、南は海というイメージが出来上がっている太平洋側の人間にとって、出口が日本海口(北口)とアルプス口(南口)という名前なのが印象的でした。
今回の旅のメイン、フォッサマグナパークへは糸魚川駅から大糸線に乗り換えて根知駅へ。1両編成のディーゼルカーに揺られ、車窓から見える夏空と山、田んぼのコントラストがノスタルジーを掻き立てます。
駅を出てしばらく歩くと、フォッサマグナパークに着きます。到着早々、断層がお出迎え。
東(北アメリカプレート)西(ユーラシアプレート)でくっきりと色が分かれているのも、無学な観光客にわかりやすくてとても良いです。フォッサマグナ=糸魚川-静岡構造線というわけではなく、フォッサマグナはバカでかい溝のことで構造線はその西端のラインらしいです。あんまり掘り下げると詳しい人に怒られそうなのでこのあたりでやめます。
本来であれば下に降りてもっと近づけたらしいのですが…。崩落の跡があるらしく、残念。上の写真の左側部分がそのあとですかね?草生えてるし違うか。
崩落した影響なのか、水路の修繕工事をされていました。写真撮るときは工事のおっちゃんたちが気を利かせてよけてくれました。ありがとうありがとう(以下略)
夏の野外の工事って、今の熱源機械室工事の比ではないくらい暑そうですよね…。夏の機械室って、外から供給される熱風と機械から発せられる熱で酷いことになるんですけど、直射日光の熱には到底及ばなさそうな感じがします(設備機械屋並の感想)。
閑話休題。
まだ道が続いているので歩を進めてみましょう。
枕状溶岩というらしいです。石垣みたいですねぇ(雑)。ゴンズイ玉みたいな形で溶岩が伸び、固まった後風化してこの形になるんだとか。
修学旅行の事前学習は、ネタバレの海という認識しかしていなかったので嫌いだったんですが、知らなすぎると感動が無くなってしまうんだなぁと思いました。
暑い。
というわけで再び根知駅へ。電車まで一時間ありますが、ゆっくり待ちましょう。
年季の入ったローカル線の駅舎は、ベンチなり柱なりに木が使われていることも多く落ち着きますね。最寄り駅が古くてもエモくはないので(経験談)、この感覚は初めて訪れる者の特権でしょう。
さて、電車で糸魚川駅へ戻り、昼食を済ませてからバスでフォッサマグナミュージアムへ。糸魚川を流れる姫川でよくとれる翡翠について、できるまでのメカニズムを解説しているだけでなく、世界中で取れた鉱物・宝石が数多く展示されており、とても見ごたえがありました。私は美術館や博物館へ行くと写真撮影を忘れるので写真はありません。実際に行ってみてみよう!
再び糸魚川駅に戻り、能生(のう)駅まで移動し、バスで宿へと向かおうとしました。駅から乗るべきバスの系統は事前に調べており、駅前のバス停が終点でない(=逆方向のバスに乗る可能性がある)こともわかっていました。が、「山が北側、海が南側」という固定観念が抜けず、乗るべきバスを目の前で真・スルー。
1時間後にしかバスは来ないと知った私は、とりあえず海へ向かうことにしました。
些細なガバは海が洗い流してくれますとも。
1時間後、ほぼ貸し切り状態のバスに乗った私は、柵口(ませぐち)温泉へと向かいました。
アーイイ…。とてもとてものどかで、非常に良い。
旅に出たいという衝動は、都会の喧騒から逃れたかったというのが一番大きいということを自覚したのもこのあたりでした。
本日のお宿はこちら。畳の香りも含めてとても落ち着きます。宿に着いたら、
温泉>晩餐>温泉>温泉>睡眠>温泉>朝食>温泉
のコンボを決めようと思っていたのですが、バスガバで最初の入浴の機会を逃してしまったわけですね。長風呂ができない体質なので、何回も入ることで取り返していきたいというやつです。どうしたら長風呂できるんでしょうね?
夕食(の前菜)です。一人でこういった食事をするのは初めてだったので、緊張も相まって酒が進む進む。下戸なので1合飲み切れず、持ち帰ることになりました。帆立の釜飯と牛肉の汐煮が特に美味しかったです。
ただの土日に行ったからなのか人は多くはなく、風呂はほぼ貸し切り状態でこの上ない開放感がありました。
~翌日~
無事、風呂>朝食>風呂のコンボを決め、滞りなくチェックアウトを済ませたらバスで再び能生駅へ。
日曜日の朝なので帰るにはまだ早い、ということで東京へは戻らず、富山へ向かいます。
時間がないので、生地や魚津、滑川の海鮮を堪能したい気持ちをグッと抑え、富山駅へ到着。富山市内って路面電車が走っているんですね。せっかくなので乗ってみました。車内は電車そのものなのに車窓は車道のど真ん中という、なんだか新鮮な感じ。富山城を過ぎたあたりで…
図書館とガラス美術館が同じ建物に入っているというので入ってみました。
木目調で吹き抜けの建物でとてもお洒落な感じがします。入場料が200円の割に、展示はとても充実していたと思います。写真は撮っていないので見に行ってください。
昔仙台に行ったときに藤田喬平ガラス美術館へ行き、ガラス細工の鮮やかさと透明感、見た角度で印象が変わってくる姿が妙に印象に残っていたので足を運んでみたのですが、ハマってしまった感じがします。箱根の彫刻の森美術館にも、首都圏に住んでいるうちに行っておきたいですね(間に合わなかった模様)。美術館行くならある程度の知識はつけていった方がやっぱり面白いんでしょうかね?
お土産に買ったお猪口は今も愛用しています。
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今回は初めてのひとり旅でしたが、帰りの道中に次の行先を考え始めるくらいに楽しんだものでした。「酒と温泉と、ついでに観光」という目的で始めた旅でしたが、酒にも温泉にも弱いことを改めて実感しました。
ひとり旅というのは、社会的な人は寂しくてやっていられないらしいのですが、特に寂しくなかった私は非社会的な人間の一人なのだと改めて感じました。日常では社会性を強要される分、こういった機会に非社会性を存分に発揮するのもよいかもしれません。
リアルタイムで感想を共有できる人がいない分、身の周りの物やそれを知覚する自分の五感に思いを巡らせることになるので、新たな発見ができたように思います。
ひとり旅は、いいぞ。
次回、10月の山形旅もしくは今度行く(かもしれない)旅について書くかもしれません。